〈231.参謀役〉
今日は訳あって新幹線に乗った。暇な3時間、窓の外をぼけぇと眺めたり、本を読んだりした。孫子の兵法。これはまた面白い本を教えてもらったぞ。もちろん表面的には戦争の進め方、勝ち方の教科書である。だけど、読み方をビジネスマンにしてみたり、スポーツマンにしてみたりすると大きく変わる。勝負がある世界は火薬武器のない戦争なんだなあと過激に解釈もできる。
その中で一番心に刺さった内容というのが。
戦争はいかに短期で圧倒できるか。兵力を失わず、相手の財産をどれほどぶんどれるか。
一見、これは野蛮人だと解釈できる。力にものを言わせる、人でなし。
だけどもむしろ真逆である。いわゆる自国ファーストなのだ。自国のモノは絶対に失わないし、奪わせない。死守。そして自国に流れてきた士官は保護。しかし、敵には冷酷で残酷。それだけだ。
平和が失われて、争わなくてはならなくなった時。そして絶対に勝てる見積もりができた時の最終手段としての戦争なのだと孫子はいう。これが武力衝突でなく、ビジネスチャンスでも試合であっても同じだ。なにがなんでも守る。
なるほど。勝者はそこまで考えて、いっけん狡猾だけど、自国愛・味方死守に一貫されているんだねぇ。
だけども私はどうにもそこまで冷徹にはなれなさそうだ。高校の頃、試合に勝てる時になると、本当に勝っていいのか、なんて考えてしまう私だもの。これからもきっとそうなんだろうな。
知識として知っといて損はないでしょう。僕は将軍にも、参謀としても仕事はできなさそうだ。それより、そういう人たちの秘書とかお抱え旅芸人でもやってる方が性に合う。
とはいえそこにも戦術は必要なんだね。