〈306.RPGおすすめ2点〉
前にも話した通り、最近はあんまり泣くことはない。悔しいことも悲しいことも辛いことも、僕のキャパシティを超えてくることがない。一方で嬉しくて嬉しくて仕方ない時もない。
中高生の頃はあったのよ。逆転勝ちで泣いたり、責任に応えられずに敗戦に泣いた日。遠い昔だよ。
ところが、大学生になって大泣きしたことがある。それがいいのかわるいのか置いといて、作品に泣かされたのだ。しかも得意分野のロールプレイングゲームだ。しかも1つじゃない。ふたつある。
一つは「ドラゴンクエスト6」である。
主人公は片田舎の少年。村長からの扱いを頼まれ、村を出ると、知らない世界に迷い込む。そこには自分の元いた世界に似ているものの、自分の姿は透明になっている。なんとか村に生還し、村長にその話をすると"幻の大地"であるという。幻の大地を求め、そして自分自身が何者であるかを追い求め、主人公は旅に出る。
ざっくり言うとこんな感じの話だ。
1995年に発売されたが、当時、若者は存在意義を追い求め、様々な社会変動が起きていた(らしい)。その社会背景を持つドラゴンクエスト6。魔王討伐が一つの大きなテーマではあるが、自分自身が何のために生きているのか、これがもう一つの大きなテーマである。
このテーマが最後まで貫かれており、主人公や仲間たちはもちろん、サブキャラクターや敵キャラクターも輝く素晴らしい作品である。
エンディングは良い意味でスッキリすることがなく、いつまでも脳にへばりついて離れない。
自分は何のために生きているのか。自分の役割はどこにあるのか。
ドラゴンクエストシリーズはそれぞれが別の世界の話であるため、前後関係気にせずにぜひプレイしてほしい。
そしてもう一つがundertaleである。
主人公が山を登っているとポッカリと空いた大穴に落ちてしまう。気がつくとそこは人間のいないモンスターだけの世界。ところがそこのモンスター達はどこか欠けていて、主人公を倒そうとはしてこない。主人公はモンスター達と仲良くできるのか。それとも敵対して突き進むのか。ひとりも倒さずにクリアできるロールプレイングゲーム。倒すも倒さないもあなた次第。
こんな感じのストーリーである。
これは2015年に発売された新しい作品だけども、驚くべきはほぼひとり、Toby Foxほぼひとりで音楽もシステムもストーリーも作り上げたことである。にも関わらず、世界中で有名になり、一部では大手ニンテンドー作品を上回る人気を誇ったとも言われる。
そして我々日本人としては嬉しいことに多くの日本のゲームに影響を受けて作られている。MOTHER2や東方Project、マリオシリーズなど知る人はどっぷり浸かったことのある作品ばかりであり、親近感わきわきである。
テンポの良さも大きな注目点である。ほぼすべてが一本道を進むことでストーリーが展開される。無駄がない。キャラクター一人一人が非常に愛くるしく、名前もつかないモブも一人残らずセリフを聴きたくなる。
そして最後。リアルの我々に問いかけてくる不思議な作りである。画面の向こうの世界とこちらの世界を繋いでくる、魔法みたいなお話。
泣くぜ。これは。
だいちは映画をよーく見ている。ぼくはそれがゲームに向いたのだ。時間消費の娯楽ではなく、一つの趣味として、芸術作品としてゲームが僕の中にある。
いつかこういうゲームをつくってみたい。僕が作ったものが果たして面白くなるかは想像できないけども、それがなされるまでは死ねないな。