11月24日。
当然だけど、未知とか不慣れは怖いのよ。でもやってみたら案外悪くないのが大体の結果だと思うんだね。それでも二の足を踏んでしまうのが情けない僕なんだね。
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昨日はかなり参っていたので、今日はリハビリだ。外に出て散歩でもしよう。しぶしぶ、夕飯を食べるところを探すという理由をつけて外に出た。
外に出てみたら、当然なにか目的を探す。散歩だけだと1時間もせずに終わってしまうね。せめて研究のなにか助けになるようなことをしよう。
今いる都市は海沿いだ。綺麗な舟がたくさんある。おもしろい。海辺で座り込んでしばらく眺めてみる。
日曜日だから人通りは少ない。バケーションの時期ともズレているのだろう。それなのに見慣れぬ外国人が座っているのはさぞかし不思議な光景だったのだろう。
小さな姉妹が近寄ってきた。
ウォロフ語で簡単な話をしてみるとなんだか嬉しそうにしてくれた。
和やかな時間を過ごしていると、英語を話す男が現れた。色々と話していると、結局金をくれということだった。そういう時は等価交換だろう?なにもサービスもないんだから渡す金はない。そもそもそんな余裕僕にはないよ。
男が立ち去り、また小さい子と3人になった。しばらくすると別の男がやってきたけどまた金の話だった。適当に流していると、別の子どもが近くに座ってきた。特に話すでもなく、ただ同じ方向を見て座っていた。
彼の名前はママドゥ・ジョップだそうな。静かに、時々目が合うと恥ずかしそうに顔を隠した。
そのママドゥの友人がわらわらと集まってきた。わずか10分くらいで15人くらいの坊主の相手をすることになった。伸びた髪の毛を弄り倒してみたり、無精髭をジョリジョリさせてみたり、下ネタを覚えさせてみたり。彼らは外国人をひたすらにおもちゃにしてくれた。その時間はすごく救われた。
彼らのほうが当然フランス語もウォロフ語も話せるけど、彼らの関心はただ外国人がここにいるというそれだけにあった。それが僕には楽だった。
ママドゥは過激になった下ネタをイナしたり、髪の毛を引っ張ったら怒ったりと、私に優しかった。その忠告がどれほど効果のあったものかはわからないけど、その彼の心はどんなにら僕に安らぎを与えたことだろうか。
日も傾き、飯屋に入った。お客が少なかったからだろうか、ご飯のおかわりをくれた。帰路に着くと研究書がやたら置いてある本屋を見つけた。
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切り取り方次第で今日という日は良しとも悪しともできる。たまたま良いことが連鎖したので今日は良しということにできる。
運が良かった。運を導いたのは、外に出るという簡単な行為から始まったのだろう。
情報は足で稼ぐ。日本にいるときもセネガルに来てからもそう教わった。
ちょっとだけ外に出る勇気があれば、もしかすると楽しくなるのかもしれないね。
あの下ネタ好きでやや乱暴なこどもたちに教えられた。
構えているのはいつだって僕だ。そんなに構えなくていいんだろうな。
気張るのは戦うときだけで。
明日もママドゥに会えたらいいな。