〈728.男A〉
9月25日。
よく行くスーパーは大学の近く。でも客層は広く、子連れから学生、おばちゃんおじちゃんがわんさかである。
わんさかなので、すれ違いでの譲り合いとかあるいは強引な移動だったりは多発しておりまして、通路沿いに陳列されてる商品なんかは時々落ちてしまったりもするのです。
今日は混む時間を避けて、閉店近くなる頃に行った。それでも田舎の平日の昼間くらいには人がいるんだからうまい商売やってるぜ。
2階からエスカレーターで降りてくると、一階の様子が見渡せる。ふと、野菜コーナーでキノコの袋がたくさん落ちてしまっているのをみた。落としても気づかなかったのかしら。あるいはスルーしたのか。エスカレーターから降りたら玉ねぎを買うついでに直してやろう。
キノコの袋をスルーする人たちのなかに、ひとりの男がいた。
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痩せ型のメガネの男。手にはカゴはなく、カップ麺をひとつ。なんともまあ部屋着だ。家が近くの大学生だろう。夜食に買って、麺を啜りながらゲームかテレビかYouTube、という感じだろうか。同族感。
そんな男が、キノコを直し始めた。絶対野菜買わんやろ。しかし、わざわざレジに向かう道を遠回りして直した。そして僕がエスカレーター降りる頃にはレジに消えていった。
どうか、彼には幸せになってほしい。そう思った瞬間だった。
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見過ごすひとがいるなかで、わざわざ拾って直しに行く気概があるやつ。性格がどんななのかは知らないけど、憎めないやつに違いない。
もちろん、ヤンキーが捨て犬を保護してきゅんきゅんする例もあるので一概には言えないけれど、そのヤンキーだって道を踏み外さなければ、きっとイイヤツになる。
どんな心がそこにあるのかは本人にしかわからないし、本人すらわからないこともあるけれど、落ちた商品を直せる客に悪い奴はいないネ。コンビニバイトの経験であたいは知ってるわよ。こんなしょーもないところで親切にできるってことは、心の根っこに親切があるってことだろうさ!
店員に敬語を使うひとだろうさ!あたしはそういう人、好きだよ!
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まあ、一面しか見てないからまったくもってわからないけどね。とんでもない親不孝者かもしれないし、詐欺師かもしれない。行動一つとって判断するのは早計すぎる。
でも、第一印象は最高よね。モテる男だよアイツは。
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戦闘力169日目
1160(+9)
勉強+4
その他+5
最近ちゃんと朝起きて早く寝れている。これは1日がちゃんと長いし、なによりメンタルによろしい。
明日もそうできるかな。