ホウチガブログ

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〈943.場の記憶と旅〉

4月27日。

 

昔お世話になっていた場所を訪れる機会があった。中学から高校にかけてテニスを必死にやってた時期、年に一度の大きな大会に出場するためにやってきていた場所。

それから10年近く経ってしまったけども、きてみるとやはり色々と思い出すことがある。そしてそこには温泉がある。じっくり入ると当時考えていたことがよみがえってくる。

場の記憶ってのは不思議なもんだね。

 

 

デカイ大会というのは関東大会のことだ。県大会でベスト4だったり決勝進出したりするとようやく出場できる。それに出るだけでもよくやったことだと思うけど、そう思っているうちはやっぱり関東大会では勝てない。

そういう誇りでもあり、長い記憶でもあるのが思い出の関東大会である。その大会前日であったり、シングルス負けた後のダブルスだったり。興奮や悔しさのある場所が温泉である。

すれ違う同世代の人間を見ると、あいつは上手そうか、自分だったら勝てるかと常に戦うことを考えていた。

いまじゃああんまり戦うことを避けているしそういう機会もないけども、毎日勝ち負けの世界だった。一度辞めてしまうと戻れないなぁ。

そう思うとプロ選手ってすごいと思うよ。

 

 

かつて、年下で全国プレイヤーの子と戦ったことがある。ジュニアの歳の差は大きいもので、どんなに強いとはいえ2歳差があると体格で押し切れたりする。

関東大会でもそういう選手と戦って、なんとか勝ったことがある。しかし、負けたその子はえらくコーチに怒られていた。無名の田舎選手に負けるのは許されないのだろう。

いまではその子も世界を飛び回るプロ選手だ。もし、自分がその頃にもっと追い込んでいたら…なんて考えなくもない。でも戦いで生きるには向いてなかったですね。

 

 

そういう経験があってアフリカに行く勇気も生まれたし、文系大学院っていう選択もできたし、うまいこと人生はできてるもんですね。

仮にこの思い出の地が、思い出のないただの場所だったら、つまりテニスをやってなかったりそんなに真面目にやってなかったら、僕の支えはなにになったんだろう。

 

場の記憶を取り戻すと、自分自身のことをよく考える。もしかするといつもスルーしていて意識しないような場所が、違う世界線だったら思い出の地になっているかもしれない。

違う世界線とはいわず、スルーするいつもの場所は誰かにとっての思い出の地であることもある。

 

いろんな人のいろんな場の記憶を聞いてみたいものですな。そういう意味では旅での巡り合わせは楽しいかもしれない。