〈893.おてて〉
3月9日。
マツコさんの画像をTwitterで見かけた。要約すれば、何がチャンスになるか分からないし、それがどのタイミングでやってくるかもわからない。その手を見失わないように気をつけていたいね、という話だった。
全くもってその通りだ。僕が大学院に進んだのも、アフリカに行くことになったのも、いま東京にいるのも、すべてが偶然であってチャンスの手が伸びてきたのをきちんと掴めたからだ。そしてそれと同じくらい、あるいはもっと多くのチャンスを失ってきたし、差し伸べてきた手を振り払ったことだろう。
それもまた運命っていってしまえば容易いけども、運に左右されたくはないもの。
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僕はいま目の前にたくさんの手が伸びてきている感覚がある。就活だ。
しかし、だからといってその手が握り返してくれるわけでもない。手を伸ばされつつ、掴んで離さないようにするのはそう簡単じゃない。難しいシステムに飲み込まれている。
そしてそんなシステムが難しい理由として、なんども握り返してくれない手を掴もうとし続けると、掴もうとしている自分自身の手を疑うようになるところだ。
そうやっているうちに、握り返してくれたかもしれない手を握らなくなる。どうせ今回も握り返してはくれない。
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これは僕自身に言い聞かせているところだし、どこかで苦しむ人もいるだろうから言うところだけども、握り返してくれないのは単に自分がその手にとって魅力じゃなかったからだ。想像してみろよ、仮に僕がジョブズだったらいらないっていう会社はないだろう。魅力も実績もないから握り返してくれない。そういうもんだ。
しかしそうでもないことを我々は知っているはずだ。あんなアホだった先輩がなんでいい顔してOB訪問でドヤ顔してるのか。それはそうだ。ジョブズじゃなくても必要としてくれる会社があるからだ。
そんな会社にどうやったら出会えるか。結局確率論で、とにかく社数当たるしかないと思う。そう信じている。
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仮に第一志望が手を握り返してくれなかったら、それは学園のマドンナだったということで諦めなさい。もしくは握り返してくれるように男を磨けばいいだろう。
しかし、そんな自分を見てときめいてくれているクラスの女子もいる。じっとみつめてくる塾の隣の席のやつもいる。そういう視点にどうやったら気づけるのか。
結局はしゃんと前を見ることしかない。一回フラれたら死ぬわけじゃあない。何度でもアタックしても良し、自分を求める違う腕を探すも良し。
いずれにせよ、前をみるしかいけない。
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もしかしたらコンビニのおっさんがその腕かもしれない。ファミレスのウェイターの姉ちゃんかもしれない。公園で見かける兄ちゃんかもしれない。
とにかくその手を見落とさないように視野を広く持ち続けるしかない。
どうやったら視野を広く持てるのかって。外を歩いて、走って、気晴らしするしかねぇじゃろう。がんばろうな。