5月8日。
教習所では救急のときの対処法を教えられる。
大学や高校でも心臓マッサージとか人工呼吸とかはうっすら学んだ記憶があるが、定期的にこういう機会があると思い出されて良い。
心臓マッサージは1分間に100回から120回のはやさだと教わった。これはたぶん昔からそうだったと思う。
でも、今の時代人工呼吸はしないんだってさ。
なんでかって?感染症対策なんだってさ!!
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中学・高校の保健体育の授業で人工呼吸の仕方は教わった気がする。というのもそういう時間は決まって男子が盛り上がるからだ。
まったく知らん人とキスしないとダメなんですかあー!みたいな。しなきゃ人が死ぬんだ、だまってやっとけ、というような感じだった。
それがいまじゃあ人工呼吸で万が一感染症が広がったら自分が死ぬかもしれないんだぞということだ。時代は変わったんだね。その代わり、心臓マッサージはしっかり続けましょうとのこと。
ところが、心臓マッサージをはじめるときにも息を吹き返した時に感染の防止対策として、倒れている人の口元に布をかぶせるらしい。
徹底してますな。そりゃあそういう教えをするときにはちゃんと感染症対策するのが前提にしなきゃいけない世の中ではあるんだろうけど。
なんとも悠長な緊急の救急救命活動ですな。
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そりゃあ仕方ないか。そういう「教え」っていう場面は「日常」で行われるんだもの、「日常」における「リスクマネジメント」が適応されるわな。
学校の避難訓練で、事前に下駄箱付近に濡れ雑巾をおいておくようなもんだ。日常において汚いっていう被害が生まれないようにするもんな。
いやまあしょうがないんだけどさ、そういう時に「日常」を持ち込んでる時点で対して意味がない。家のベッドで寝そべりながらスマホで護身術を勉強しているようなもので、そういう知識は無駄じゃないかも知れないけど役には立たない。
むしろそういう身についてない情報があることで判断が鈍ることすらある。
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このご時世でいうのもなんだけど、そういう緊急事態の勉強をする場で感染対策まで考えないほうがいいと思うんだよな。
もちろん実践的に勉強するときには十分にしてもらわないとダメだけども、本番を想定している実践だったり、お手本のビデオでちんたらビニール手袋を付けたり布をかぶせたりしないほうがええじゃろう。その時間を心臓マッサージしたほうがいいし、人工呼吸したほうがいい。
目の前で死にかけている人と、罹るかどうかわからない感染症対策をはかりにかけて感染症対策に傾くのはちょっと倫理観おかしいんじゃないの。非現実的すぎないかしら。
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もちろん練習なら十分な感染症対策で人工呼吸もしないほうが良いだろう。でも練習でできないことは本番でできないからね。
仮に目の前で死にそうな人を発見したら、ビニール手袋を探すよりもAEDを探すだろう。
呼吸の様子がおかしければ、顔に布をかけるよりもまず心臓マッサージなり気道確保をするだろう。
救急の救命活動ってそういうことじゃないのかな。
もちろん日常の中では現在は感染症が恐ろしいものだから対策を第一にするけども。救命活動が必要になった時点で非日常だし、そのときは優先順位は変わって当然じゃないの。
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学校の避難訓練も突発的に始めたら良いでしょうに。
それがトラウマになるんだったら低学年・中学年は現状のふわふわした避難訓練でも良いだろう。でも高学年から上の学生や教員には座学での避難知識と避難訓練の他に、実践訓練もしないと意味ないんじゃないかしら。
頭でわかっていても体が動かないってのは大人が一番わかっているでしょうに。