9月7日。
破れた帽子をかぶって、ヨレヨレで灰色になったジャケットを着たおっさんとすれ違う。ふと、タバコの匂いが鼻をかすめる。
昼間の飲み屋街に人はいない。扉に張り紙があるところをみるとたぶん夜もいない。
いまは頼めないうまそうな生ビールのポスター。
飲み屋に行きたいネェ。煙臭くなった服を脱ぐ時までついてくる飲み屋に行きたいネェ。
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宅飲みだって悪かないんだよ。酒はどこだって美味いし、つまみだってうまい。家なら足を伸ばせるし、好きなテレビやら動画を一人で満喫できる。
そんなの誰もが知ってる。
だがね、飲み屋には飲み屋の空気感がある。あれが恋しい。
僕が特別店主に話しかけることはないし、客同士の絡みだってあるわけない。そういう人たちの様子を伺って、くだらない話で盛り上がってるのが最高なんだ。
そして目の前に胡椒と塩が多すぎる焼き鳥。安居酒屋特有のちっちぇえお通し。それがいいんだよ。うまいもんが体に悪いわけねぇっていう殴り合いみたいな、ああいうのがほしい。
そもそも家で一人では酒を飲まないので、「酒飲む=外で誰かと」なので楽しいに決まってる。酒はそういう楽しい飲み物である。家じゃなくて外だからこその非日常がいいの。
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こんなの書いたところで、そういう日が来るのはまだまだ先なのはわかってるし、フラストレーションを溜めちゃあいけない。人様に迷惑になっちゃいけない。
どこもかしこもダメダメ、だといい加減疲れてくる。
だからって、じゃあマスク外して飲み屋行こうとか言ったらもうあかんよ。だれか我慢してるんだもの、あたしだけが許されるわけやないっちゃうことよ。だから、いまはそういう時期の楽しさをおかずに、郷愁も込めて家でちびちびやるのも楽しいんじゃないの。
そういう楽しみ方は今しかできないヨ。せっかくだから楽しませてもらおう。
たばこくさいおっさんに囲まれて飲む酒は、いつかきっとくるさ。それまで一人でクリーンに酒を飲むのよ。
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そういや次元の声優さんが交代だってね。50年も次元は次元だったわけだ。しびれるネェ。
JAZZだネ。