10月6日。
僕は週に3日くらいランニングをしている。そんでもって公園で素振りをしている。
素振りをしている間は楽しくて仕方ない。イメトレで試合をすればたちまち30分が経ってしまう。
そして冷えた帰り道。ふと考える。
僕はなぜ素振りをするのか。
。
素振りを始めたのは2019年の秋ごろだった。望月選手がウィンブルドンジュニアで優勝するのを見て、やたらテンションがあがったことからだ。
つまり、素振りを始めた動機はあがり切ったテンションのはけ口のためであった。健康目的じゃあない。
しかし、素振りは強くなるためにする基礎づくりである。確かにあがり切ったテンションのはけ口として始めたけども、それなら壁打ちのほうがよっぽどいいことは理解している。つまり、どこかで強くなりたいと思っているからだ。
。
そりゃあそうなのかもしれない。
今でも試合の夢を見るし、大会に出場することもある。勝ちに対する欲望が残っている。しかし、今はまもなく社会人になる身である。学生の頃みたいにそれに打ち込むことで人間的な成長を見込めるわけでもなし。おじさんがテニスをするように、健康目的にのんびりやるくらいで十分だと思われる。
テニスをもう一度全力でやりたいけども、全力でやる理由がほしいといったところだろう。その理由が見つかった時のために、強くなっておきたいのかもしれない。
。
ところが、僕は知ってしまっている。全国で活躍する人のレベルというのを体験してしまっている。ぼろぼろに負けた記憶がずっと残っていて、生きる世界が違うことを思い知った。だからいまさら強くなるといっても、天井が見えているような気がする。本気で強くなりたいのならば、平日の昼間でもテニスコートに立つべきである。つまり、テニスに人生を捧げることである。
それをしたいとは、思わないわけではないけども他にもっとやりたいこともある。優先順位で優位には立てない程度である。
だとしても、強くなりたいと思うのが止められないから、素振りをするのだろう。この気持ちが10年前、15年前にあれば、もしかすると今頃飛行機の中で次の大会会場に向かっているような人生だったかもしれない。
プロの人をみればわかるけども、必ずしもそれが正解だとは思わない。世界ランク1000位より下の人でも十分に強い人もいる。それでも勝てないからコーチを兼ねてたりする。一方でテニスは諦めて普通に就職して成功する人もいる。それぞれのフィールドがあって、それぞれに正解がある。
。
後悔がまったくないといえば嘘になる。もっと全国で勝ちたかったという思いはずっとある。
もし15年前のテニスはじめたてのころに戻ったのならば、やはり全国での勝利、いや世界での勝利を目指すだろう。
それが叶わないから、いまできる素振りをするのだろう。いまから素振りをすれば、県大会くらいで結果を残せるかもしれない。良ければ全国でどうだと考えることもできるかもしれない。そうじゃなくても、時々見る夢で気持ちのいい目覚めが迎えられるようになるかもしれない。
やっぱりダイエットはきちんとしようね。太ってていいことはあんまりないからね。