ホウチガブログ

~方向性の違いでブログ始めることになりました。~

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〈1407.親愛なる妹へ〉

4月3日。

 

今日は昼の退勤だった。

平日昼間の群馬行きの電車でも、それなりに人は乗っている。すかすかの電車じゃなくてよかった。

 

午前の仕事はストレスだったのかもしれない。気がつけばまわりの人は反対側に一人いるだけ、最寄駅に着いていた。

 

 

妹はいつものところで横になっていた。

獣医からはもう家で過ごしたほうがよいと言われていた。

それからちょうど1ヶ月経とうかとしていたところだ。

 

相棒の柴犬が逝ってからまだ半年経たずだ。それほど仲良しだった弟妹ではなかったけれど、やっぱり寂しかったのだろうか。

 

 

妹は公園のダンボールにいた、と思う。親父がナイターで地域の人とテニスをしていたら見つけられた。

そしてその晩には我が家に迎え入れられた。

 

その時は両手ですっぽり包めるようなお人形だったのに、半年くらいで10kgは超えた。

君は甘えていたんだろうが、猛牛の突進を思わせる力強さだった。最大15,6kgくらいだったろう?兄の飯を横取りしすぎなのよ。

 

僕が実家にたまに帰ってきても、特別喜ぶ様子もない無愛想さは覚えているぞ。そのくせおやつの袋をガサガサやると飛びかかってくる。

まったくもって分かりやすかったさ。

不満があると、庭から部屋のガラスをガンガン叩いてアピールするし、雷が来ればその巨体で股下に潜ってくるし、いくつになっても子供みたいだったな。

 

 

桜が散って、さあこれからという時にこれだもの。相変わらずワガママな君だ。

病気はきっと苦しかったろう。どうか安らかに眠っておくれ。

 

兄貴は社会人2年目になったよ。

君に会わなくなってから8年経ったけど、中身は大して変わらんよ。

しっかりした番犬だった兄と比べて、肝心な時にビビり散らした君。やっぱり僕に似ていたと思うんだ。

 

捨てられていた君を拾ったのが、ウチで幸せだったかい。

目立つような幸せはなかったけれど、君がいた日常はきっと数段明るくなっていたよ。

 

ありがとう。

せめてそっちでは、兄と仲良くしてくれな。