ホウチガブログ

~方向性の違いでブログ始めることになりました。~

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〈1220.勇者の嗜み〉

1月29日。

 

バイト先に不思議な人がいる。
それほど読書家のいない勤務先に、読書量と知識量のすごい人がいる。
独自の世界観のある人で、自分から話はしないけども色々な経験をしているようである。
そんな寡黙で理知的な彼の楽しみの一つが、ヒッチハイクである。
これは他にいない面白い楽しみを知っているようだ。

 

 

大学4年の彼も僕も、もうじきバイト先を辞める。
ということから話は始まり、卒業旅行に行きたいけども難しいねえという話題になった。
どっか旅行とかで思い出とかありますか、なんてだれでも使いそうな質問文を投げかけたら、返ってきたのが「ヒッチハイクで乗せてくれる人は結構個性的でしたね」なんていう予想をはるかに超える答えなんだからたいしたもんだ。

なんでそんなことしたのかと聞けば、「ただで移動できるのが良いですよね」というなんとも打算的な回答であった。
不思議な奴である。


ただ、大学で映像の勉強をしているとかで、そういうヒッチハイクのドキュメンタリーチックな映像を取ってみたかったとか。
どうやら、そういう人間観察が好きな人らしい。
にしても、ヒッチハイクをしようというのはなかなか面白い話である。

 

 

安く関西←→関東の移動を済ませようとしたら、普通は夜行バスである。
それより安い方法を、あるとすれば18切符くらいなもんで、0円にしようなんて考えてもなかった。
しかもヒッチハイクといえば、段ボールにマジックペンで道で立ち尽くす姿である。
いやあ。どうも恥ずかして僕は勇気が出ないなあ。
何が恥ずかしいのかわからない。他人に自分の行く末をゆだねるというところか、はたまた0円旅というところか。
というよりも、見知らぬあかの他人にお願いしますというのが気恥ずかしいポイントだろうな。

なかなかすごいもんだ。

 

 

彼曰く、ヒッチハイカーを乗せるような人間は、物好きな社長であることが多いらしい。
長距離移動をする人間という時点でかなり限られてくるけども、その筆頭のトラックはプライバシー的な理由から不可能らしい。
そのプライバシーの存在を自己判断でどうにかできる人は、会社のトップであるとのこと。しかも社長ともなれば奇人変人が多いような気がする。となると、ヒッチハイクをするような無謀な勇者を乗せてみたくもなるのだろう。

そう聞くと面白そうである。
色んな人生の末にそこに行きついて、そしてたまたま自分を乗せている。タクシー運転手になるよりもかなり変な人間と会えること間違いないだろう。

 

 

しかしまあ、安全面がなんとも言えないのは頭に残しておくべきだろうな。
変なところに連れていかれるかもしれないし、事件に巻き込まれるかもしれない。
そこらへんのリスクマネジメントをほうっておけるような勇者のみができるアトラクションだということだ。

おもしろそう。