2月23日。
ありがたいもの。
見上げるほど大きいもの。
覗き込むほど精密なもの。
百年以上の古いもの。
できて間もない新しいもの。
和ませてくれるかわいいもの。
時間を共有したい愛しいもの。
憧れるようなかっこいいもの。
ため息が出る美しいもの。
ただあるだけでありがたいものは、時代・流行に関係ないみたい。
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例えば京都の寺社仏閣。
大きいし、古いし、繊細な彫り物があったり、美しい庭がある。
ただ存在するだけで価値がある。
ありがたいものである。
こういうただあるだけで、ありがたがられるものは本屋の雑誌コーナーの話題が多い気がする。
いわゆる趣味コーナーである。
趣味は生きるうえでの潤いである。
そういう人の希望になるものは存在するだけでありがたいということだ。
そしてこれは個人によるものではなく、多くの人が同意をするものである。
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同じくありがたいものではあるが「在り難きもの」という意味、なかなか存在しないものの方はちょっとズレがあると思う。
例えば、思いやってくれる人。気が置けない友人。
確かにありがたいものだし、在り難いものだけども、これは個人の価値観によるものである。
自分との関係ありきである。そして「思いやる」「気が置けない」というのは人によって意味が変わってくる。
風邪を引いた時にほっといてくれるのを「思いやり」というかもしれないし、おかゆを作ってくれるのを「思いやり」というかもしれない。
親しき中にも礼儀ありと主張する人もいれば、それにこだわるうちはまだ他人だという人もいる。
そういう点からも、万人共通の理解は得られない「ありがたいもの」なんだろうと思う。
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すずめをかわいいと思うのは、1000年変わらない価値観である。
そういう人間という種が喜ぶものってなんだろうね。
「枕草子」が今でも読まれるのはそういうポイントを突いているからだろうし、「光源氏」もそうだ。人間共通の憧れとか感情の揺さぶりがあるんだろう。
そう考えると、漫画ってどうなんだろう。
1000年後も読まれる作品はあるのだろうか。あるとしたら、それはどれだろう。
そういうのを探したいね。