11月9日。
村でもやっぱり休みの日は暇なのだ。
男たちは朝から晩まで何もしない。適当に村のどこかに集まって、1人がお茶を作ってそれをみんなで飲む。時間になったらどこかの家に移動してみんなでご飯を食べる。そのご飯は各家庭でお母さんが作ったんだろう。
夕方になったらサッカーをしに集まる。
ホントになんにもしない男たち。女の人は料理とか掃除とかしているけども。
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暇で暇で仕方なくなると、ただ座って空気を眺めることになる。2時間くらい、近所の男の子2人と何もせず座り続けた。ダカールにいたらたぶん勉強しようとか、外に出ようと思うけども。村じゃあなんにもしなくなる。
すると何でもない景色に疑問を持ち始める。
トタンって丈夫なんだな。ハトは飛び立つ時やたら音を立てるな。鳥も家畜もどこも似たようなもんだな。赤ちゃんはどこでも同じ泣き方をするんだな。人間も環境に適応してるだけで動物としては大して変わらんのだろうな。
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この時、間違いなくいろんなことをしなきゃいけなかった。でもなにもしないことをすることで、少年時代のようなピュアでアホらしい思考回路まで落ち着くことになった。
論文を書かなきゃいけない、そのために情報を集めなきゃいけない、そのために早く言語習得しなきゃいけない。
そういう不安とか焦りっていうのが雲散霧消した。楽天的な思考になり、気が楽なる。
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しょうもないことを考えてみる。なにもしないことをしてみる。
そして外でぼーっとする。
こういう時間があったら、こもって思考回路ぐるぐるするより結果的にメンタルも安定するだろうな。
日本に帰っても、週に一回くらい、河岸でなにもしない2時間とかつくってみてもいいかもしれない。
いや、周りがせかせかしてたら落ち着かないのかしら。村特有の空気感が大事なのかしら。わからない。
なにもないことをする。日本でプーさん的哲学を実践することでまだ見ぬ世界を体験してみようと思う。
プーさんメンタル強いな。