11月17日。
日本人の友人5人で観光地に行った。
もともとはいくつもりはなく、行くけど一人枠空いてるって聞いたので急遽参戦することにした。つまり、その場所についてなにも前知識はないし、そもそもなにがある場所なのかすらよくわかってなかった。
旅行にあるまじき行為。
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人生で初めてマングローブをみた。
川に直接生えている木のような植物。人生で初めてみた。大量のペリカンがわさわさしている木も初めてだ。白いペリカンが多すぎて、もはや遠目ではきのみにもみえる。気持ち悪いくらいだ。
確かに感動はあったし、きれいだなあと思った。思ったけども、結局それで終わりだった。思い出になかったかもしれないけど、たぶん思い出すのはマングローブじゃなくて、夜中まで飲み明かしたことだろう。
感動したけど記憶に残らない。つまり心からの感動ではなく、とりあえず感動したということにする。
なんでか。理由はよくわかっている。来る前のワクワクとか前調べとか、そういう「期待値」をちゃんと用意してこなかったからだ。
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とにかく行きたい場所、会いたい人について行く前、会う前にひたすら「期待値」を上げてしまう。行ったら何をしようか、会ったらなんの話をしようか。どうやって時間を使ってやろうか。作戦すら立てる。そうやって「期待値」を最大まで上げて、ある意味自分の中で、対象に対する暗示をかける。
例えば、話題の俳優さん女優さんに1ヶ月後にあえるとしよう。
まじか!あの映画に出てるイケメンに会えるのか!あのドラマのヒロインと話せるのか!
そうなったら、せっかくだし見てこなかった作品も見てみようとか、とりあえずネットニュースを見てみようとかなる気がする。
そんなに良い人だったのか!とかこんな演技もできる人なのか。そうやって日に日に「期待値」が上がっていく。寝る前横になるとその人のことを考えるかもしれない。会う直前の日のことを考えてもみたくださいよ。ワクワクしすぎて目がギンギンになるよ。
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そうやって「期待値」を上げると会う前からすごい人という暗示がかかってるから、会ってみたら当然良い人だと思い込む。
でもそれが感動に結びつくし、深い思い出にもなる。
確かに何も考えてなかったけど会ってみたら好きになっちゃうみたいな、一目惚れっていうのも世の中にはあるけど、まあレアなケースじゃないかしら。
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つまり、今回の旅行で僕は対象地への「期待値」上げがまったくなかった。だから一目惚れもなかったし、むしろ無感動で終わった気がする。きれいな写真が撮れたからお土産話はできたくらい。
それより「期待値」が高かったのは、日本人6人での旅という気の緩みきった環境だった。だから夜中の飲み会はとんでもなく楽しかった。そこにしか「期待値」を振ってなかったね。
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一目惚れもいいけど、それよりちゃんと調べて「期待値」をあげて、調べるだけ調べて得られるものを得られるよう準備をすべきなんだろうな。特に旅行みたいな大事な時間を過ごすときは。
美術館とか映画とか、美的感覚のものは一目惚れもいいかもしれないか。
とりあえず次の旅行には万全の準備でいこう。