3月19日。
高校の顧問と同級生に会った。
顧問は変わらず気が強く、味方であればどこまでも心強い壁である。同級生は就職を前に、若干のメンタルに揺らぎがあるやつと、そんなの関係なく飄々としているやつ。
青春を過ごした時と同じ面々が集まるのは、実に7年ぶりである。そして、同じように集まることはしばらくないだろう。もしかすると人生最後だったのかもしれない。
ようやく大人になれる。なってしまう。
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メンタルに揺らぎがあるのは僕もだ。
25になろうとしているのに、未だ自分で働かずに親の脛をかじっている。経済的に自立できずにいる。同い年は出世したりなんだりしているのに。たまにそういうやつと会うと、学生だとして軽んじられる時もある。
その結果、承認欲求が溢れたりもするんだろう。
酒を飲んでポロポロと本音が出てくると、そいつは昔より当たりが強くなった。きつい言葉を使うし、人の話にあまり興味を示さない。ちょっと悲しくなった。
僕自身もそんな時があると思われる。勤めるようになると、これまでの学生コンプレックスから解放されて、トゲトゲしさが無くなる代わりにマウンティングが始まるんじゃないかと恐れている。あぁやだやだ。
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そんなトゲトゲしいやつと、飄々としたやつと、3人でテニスコートに立ってみると、ほとんどそのときのままだ。
それぞれに負けず嫌いなので、久しぶりの運動だとか言いながら試合はちゃんと勝とうとする。相手の強さをきちんと評価し、褒めたり貶したり、バカというかアホというか素直というか、そういう会話になる。
大人になってかつてより視野も広がって、考えることも深くなったかもしれないけども、あの時にいつでも戻ることができるスイッチがあるというのはすごく大事なことだ。
テニス終わりに行ったカフェだと、トゲトゲしいやつも前のように丸い性格に戻っていた。
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高校の顧問は還暦を迎え、仕事は続けているけれど、前よりのんびりしているらしい。たしかに口調もかつてのような勢い・厳しさが丸くなったような気がする。
教え子である我々が、かつての顧問のようにバリバリに働く時期が来たということだ。師が前線から退くというのは、悲しいけども出番が回ってきたという楽しみもある。
40年後には退職して今の顧問と同じ状況になる。そのときには慕ってくれる40歳下の教え子が自分にもいるのだろうか。ふつうの会社員だとそれはないか。
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会社に入っても、しばらくは書き続けたいと思う。でもこんな余裕もなくなるのだろうか。
未知の世界である。まわりが変わったように、自分も変わるのだろう。良いふうに変わってくれよな。
いまはやや不安が大きいかしら。